算数・数学の鉄則
数学を勉強するにあたって「鉄則・基本」というものがある。
この「鉄則」こそは生徒に読んでほしい!
算数・数学には途中式というものがある。
いきなり答えが出る問題は少ない。
教科書には必ず「例題」というものがあり、その解答例がある。
その解答例をそのまま真似て書くようにする。
図形の証明問題も同様に(手抜きをせずに)そのまま丁寧に真似る。
・・・ それでは、具体的に解答例を作ってみる ・・・
a=-3 b=5のとき、3(a+2b)-(5b+6b)の値を求めよ。
3(a+2b)-(5a+6b)
=3a+6b-5a-6b ← 式は縦に下がっていく、横に行かない。
=-2a
=-2x(-3) ← マイナスの数を代入するときは(カッコ)を使う。
=6
ここで、数学の鉄則!
1)問題をしっかり読む(見る)
与えられた式にいきなり数を代入しするような問題は少ないので、
先ずは、式が簡単になるかどうかを確認する。
もっとも悪い例は、式を簡単にせずにいきなり暗算で計算を始める。
答えが違っていると、全て消し、最初からまた暗算でやり直そうとする。
途中式がないので、見直しようがない。
暗算で答えが合えば、時間の節約になると考えている。
また、途中式は面倒だから書かない。
やり直しても答えが合わない。
・・こういうことを何度も繰り返しているが反省しない。
途中式を書かないことが間違いのもとになっていること・・
に気付いているのだろうが、面倒だからなのか、そうしようとしない。
平均点をとれない生徒のほとんどは、上に書いたことを繰り返している。
このことは、数学が得意かどうかという問題以前に、
楽をして出来ればそれに越したことはない・・という安易な考えがある。
このような「安易さ」は全ての教科に及ぶ。
勉強はもとより、生活面の全ての行動に及ぶと考えてよい。
”ダメな人間”の典型である! 反省せよ!!
2)数学が得意な生徒は、普段の字は下手でも数字は見やすい字を書く。
字が小さく、薄く、見にくいのはダメ。
図形でも同様で、図が小さく、汚いと出来る気がしないはず。
3)数学の問題は、人が作った問題なので必ずできるはず!
出来るはずだと信じて、粘り強く取り組むこと。
簡単に諦めているようでは、何をやってもものにならない。
・・・ 式の変形の具体例 ・・・
y=ax+b をxについて解け(変形せよ)
ax+b=y A=B であれば B=A というように左右を交換する。
ax = y- b となり、左右をaで割れば答えは出てくる。
また、等式の変形でも方程式でも、
分数式は分母の最大公約数をかければ、分数式は回避できる。
・・・ 小学生算数の文章題 ・・・
(4)少数・分数の加減乗除について・・
5Lで350円の油があります。 1Lではいくらになりますか?
350(円)÷5(L)=70(円) この問題は誰でもできる。
2Lではいくらになりますか?
70(円)×2(L)=140(円)
2.5(L)ではいくらになりますか?
70(円)×2.5(L)=175(円) となり、
このような経過をたどれば、どの子供にも正解を導くことが出来る。
ここで問題となるのは・・
5Lで350円の油があります。 2Lではいくらになりますか?と聞かれた場合、
1Lでいくらになるか?という経過をたどれるかどうか?
それから、もう一つ重要なことが・・
整数でも少数でも分数でも、特別な数はないということ。
2(L)では?と聞かれて2倍するなら、2.5(L)では?2.5倍すればよい。
整数ならできても、少数・分数となると、とたんに出来なくなる子が多くいます。
また、別の例をあげてみよう・・
2mで300円のリボンがあります。 1mでは、いくらになりますか?
300(円)÷2(m)=150(円) これは誰でもできる。
ところで、1.5m300円のリボンは、1mではいくらになりますか?
300(円)÷1.5=200(円)
この場合も同様、2mでは2で割ったのだから、1.5mでも、1.5で割ればよい。
ここでも、整数も少数も同様な扱い方をし、計算も同様です。
確かに、少数も分数も計算することにおいて、扱いずらい。
公文式などで計算力を付けておけば、早く正確にできるようになる。
ところが、少数・分数の応用問題となると、途端に苦手意識が出てくる。
これもひとえに、少数や分数を特別な数と思い込んでいることにある。
上の記したことは同様に、中学生になって文字式でつまずく原因にもなる。
時速60km とは、1時間に60㎞ 進める速度であると理解する。
じそく60㎞で2時間進むと何キロ進めますか?
60 ㎞×2=120km 「時速」の意味を理解していれば誰でもできる。
それでは、2時間半ではどれだけ進めますか? と問われれば、
60 ㎞×2.5=150 km 少数を特別扱いしなければ簡単にできる。
中学はいれば、a時間では何キロ進めますか? となる。
文字も数字も同じであると考えれば、60 ㎞× a =60 a km となる。
2時間では?と問われれば、×2と出来るが、
a 時間と問われると、× aとするのは難しい。
同様に・・
12kmの道のりを時速3kmで進みます。 何時間かかりますか?
12÷3=4 4時間。 これも誰でもできる。
中学なると、a km の道のりを時速3kmで進むと何時間かかりますか?
a ÷3 という割り算(計算式としては分数を使う)になり、
3kmも akmも同じと考えれば易しい。
数学や算数は、2時間や3Lであれば、具体的だが、
2.8時間や3.7Lともなれば、具体的把握がしにくいという意味で、
抽象的なってくる。 ましてや、a kmともなれば、尚更のこと。
だからこそ、少数や分数、aなどの文字を
具体的な数に置き換えることによって易しく考えることが出来る。
まとめとして・・
3.5 m で700円のリボンがあります。1mではいくらになりますか?
と問われたら、3mで700円なら、700÷3といしますね、
それと同様に700÷3.5とすればよいのです。
3.5mでa円のリボンがあります。 1mでは?問われれば、
a÷3.5 とすればよいわけですね。
算数や数学が得意かどうかということは、
イメージしにくい 3.5 L や akm などの抽象的な概念を
整数に置き換えて考えることによって、具体性を持たせることが出来るか?
また、文章題を図示することによって、解くことも同様です。