なぜ、勉強嫌いな子になるのか?
勉強嫌いな子・・
私は50年近く、塾長として様々な子供たちを見てきました。
「勉強嫌いな子供たち」も多くいました。
(勉強嫌いな)彼ら彼女らに共通することは・・
勉強をしないことを理由に厳しく叱られた子たちです。
先ずは、幼少時から振り返ってみましょう。
子供が、危険なこと、甚だ周囲に迷惑になることをしたときには、
叱るのではなく、納得ができるようにしっかり説明しましょう。
もし、その説明を理解できないようなら、
そのような危険で迷惑になるようなことを
二度としないことを子供に約束させましょう。
ここで大切なことは、決して叱ってはいけないことです。
いつか大人になったら分かるようになるから、
”約束しよう!”ということで治めましょう(親子の信頼関係)。
子供にとって(大人になってからでも)最も大切なことは、
行動することにおいて、諦めない忍耐力と果てしなく広がる(深まる)好奇心です。
ですから、幼少時に、子供が夢中になってやっていることを
(大人の勝手な介入で)中断させないようにしましょう。
夕食の時間になったからとか、寝る時間が迫っているからとか、
子供は遅くまで起きていてはならないとか、
親の言うことを聞かない子は悪い子になりそうだ・・とか、
・・そのような心配はいくらでもあるでしょうが、
それでも、子供が夢中になってやっている間は、やらせておきましょう。
お腹がすけば、後になっても食事はするだろうし、
少々の睡眠不足で健康を害することもありません。
親が、自分の言うことを聞かせようと強要してもいけません。
勉強とは言っても、算数国語から音楽や体育まで様々な科目があります。
子供が夢中になっていることを優先して考えてあげればよい。
主要5科目が出来ないと、いい大学に入れないとか、いい職にありつけないとか、
親の勝手な価値観で子供の意欲を奪うようなことだけはしないようにしましょう。
子供は、”懲りないことには学びません”。
”放任すること”も大切です。
失敗して、懲りることから(子は)学びます。
失敗してから初めて、しっかりフォローしてあげればよいです。
ここでも、決して叱ってはいけません。
もちろん、子供が何かを成し遂げたときには”盛大に”褒めてあげましょう。
失敗した時には上手にフォローし、上手くやった時には褒めてあげる・・
このようにして、子供は何事にも夢中で忍耐強く頑張るようになります。
勉強というと、主要5科目ばかりを考えがちですが、
未来は、むしろ副教科と言われる4科目が重要になります。
勉強というより、学ぶこと・・と言った方が良いかもしれません。
他のページにも書いてますが、「絵本の読み聞かせ」もとても大切です。
子供が夢中になるきっかけとなる間口を開きます。
最も良くないのが・・
親は叱り癖、子は叱られ癖が付き、親子関係が悪い例も多く見ます。
言わないとやらないから、叱らないと勉強しないから・・といのは、
既に、幼少時の親の子に対する対応から始まっていることになります。
算数は、1以上の整数を扱っている限り、
子供たちにとってはさほど難しいことではない。
ところが、4年生ころから、
少数・分数という1より小さな数を扱うようになる。
すると、途端に算数は難しい科目になってしまう。
また、普通に生きていくことにおいて、1より大きな整数を理解し、
扱えれば不自由することはほとんどない。
だから、1より大きな数の加減乗除が出来れば何ら問題はない。
ところが、割り算になれば、1÷4 という計算が出てくると途端に困ってしまう。
ここで初めて、少数・分数という数と向き合うことになる。
1/4 とか 0.25 という数の概念がつかめない。
ここで、つまづき、算数嫌いになる子は多い。
指導する側として、心得ておくことは・・・
理解し納得できないと、前に進めない子が少なからずいることである。
”理解し納得すること”は学ぶことの基本ではあるが、
納得できなくても、前に進んでしまえば、
後になって分かる(理解できる)ことも多くあることを子供に納得させることである。
教える側も教わる側も、納得しなければ前に進めい・・
という”無器用さ”は捨てようではないか!
分からないまま、納得できないまま、進んでしまっても、
後になって分かることが殆どであることを我々は体験しているではないか。
それから、教育の在り方の原点にも関わることだが・・
不向きな子、不得意な子に出来ようになるまで”強いる”ことを止めようではないか。
何人かに1人は、一生かかっても「鉄棒の逆上がり」はできない。
その逆上がりが出来まで頑張らせることが馬鹿げているは誰にでも分かるが、
少数・分数の概念がわかない子がいてもいいではないか。
我々が日常的に使う計算は、足し算・引き算と簡単な掛け算程度なのだから。
私が普段から疑問に思うことだが・・
内部進学の生徒が多い学校では、1つでも赤点があれば進級できません・・
という学校が多い、というより、全て学校でそのようなシステムになっている。
主要5科目で言えば、
5段階評定として、5科目の合計が2.6以上であれば進級できるようにすればよい。
英数国理社の合計評価が13を超えれば良いことになる。
英数国理社の順に 3+1+2+4+3=13 になるわけだから、
たとえ、数学が1であっても進級できるようにすればよい。
他の科目で頑張れば良いことになる。
また、副教科を入れて、その合計をいくつ以上というように決めても良いと思う。
内部進学目指す生徒たちが、
赤点を取らないようにすることでどれだけ苦しんでいるのか!
私はこの目で見ている。
多様性を重んじるなら、出苦手な科目があって良いし、
出来る科目・学科が秀でていることがなりよりも大切なことと思う。
学ぶことの中に”無理強い”だけは省いていきたい。